ピアノコードの弾き方

ピアノコードは難しいと思っていませんか?初心者でも安心して練習できます。ピアノコードとは何でしょうか。コードとは3つの音のハーモニーです。

1.ピアノとドレミ・・・

ピアノ鍵盤のドの位置音が鳴ります

ドの鍵盤は黒鍵が2つ並んだ左隣です。

ピアノ鍵盤ド~シ音が鳴ります

コード名はアルファベットで呼びます。

2.早速コードを弾いてみましょう

早速きよしこの夜をコードで弾いてみましょう。

きよしこの夜の五線譜コード表 きよしこの夜コード表音が鳴ります

左手で3つの音を押さえ、メロディーは口ずさんでみましょう。

きよしこの夜の鍵盤の押さえ方音が鳴ります

注)C7は本来4つを押さえます。ですが簡素化のため3つとしてます。

3.コードの歩き方

コードの押さえ方には決まりがあります。Cのコードを弾くときはド(C)の音を基準にし、右側へ番号の数だけ上がり押さえます。

Cコードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

1,2,3・・・は黒鍵を含めて見たときの上がり方です。この上がり方は他のコードでも同じです。Cのコードと同様にDのコードを弾いてみましょう。

Dコードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

Gのコードも弾いてみましょう。

Gコードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

番号は省略ました。(鍵盤の図を変えました)

4.コードの天気予報

前章ではCとGとC7の3つのコードが出てきました。Cの文字を使うコードはどのような関係なのでしょうか?コードには様々な表情をつけることができます。天気に例えてみましょう。

または

それぞれのピアノコードを弾くとこのような響きになります。

ピアノ鍵盤ド~シ音が鳴ります

まとめ

  • Cの音 = ド
  • Cのオトより右に「1・2・3・4」→「1・2・3」と上がるとCのコードに
  • Cのコードにm,7,sus4がつくと表情がつく

5.コードに表情をつけてみる

Cm(シーマイナー)を弾いてみましょう。Cの右側、Eの白鍵を1つ下げます。

Cmコードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

Csus4(シーサスフォー)を弾いてみましょう。Cの右側、Eの白鍵を1つ上げます。

Csus4コードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

そしてC7(シーセブン)を弾いてみましょう。Cの白鍵を2つ下げます。

C7コードの鍵盤の押さえ方音が鳴ります

指の動かし方に簡単なルールがあり、後の章で解説します。注)C7は本来4つを押さえます。ですが簡素化のため3つとしてます。

6.音の移動

高いソから低いソへ

1・2・3→4・1・2コードの順に鳴ります 音が鳴ります

Cのコードは1・2・3を押えました。実は4・1・2と押えた場合もCのコードになります。一つの音を1オクターブ上下することを転回と呼びます。

まとめ

  • コードは>C~Bの7つある
  • コードはm,7,sus4という表情をつけられる
  • コードの押さえ方には転回という組み合わせがある

7.コードが使う鍵盤

転回の応用例をみてみましょう。CとBのコードを前章のように弾くと鍵盤を使いすぎています。

コードが使う鍵盤が広い

C→Bコードの順に鳴ります 音が鳴ります

そこで転回を使いコンパクトにしてみます。範囲はF(ファ)~上のF(ファ)にします。

コードが使う鍵盤をコンパクトに

C→Bコードの順に鳴ります 音が鳴ります

こうすることのメリットは、

  • 違うコードを押えるとき指の移動量がすくなくてすむ
  • コードが使う鍵盤がきまるのでコードの押える型も決まる
  • よって転回を普段考えなくてよい

(「型」とは「転回」したときのそれぞれの押さえ方になります)

コードが使う鍵盤の範囲をF(ファ)~上のF(ファ)にした理由ですが、様々なJ-POP、邦楽をコード伴奏をした経験から、この範囲が右手のメロディー側を邪魔せず、しかも左手のコードは高めの音で弾きたいということで、この範囲となりました。次の章よりこの範囲を使い解説してゆきます。

8.コード伴奏

では「転回」の技を使った、きよしこの夜を伴奏してみましょう。 使う鍵盤がまとまりました。

きよしこの夜のコード表音が鳴ります

きよしこの夜の転回を使った押さえ方

きよしこの夜のコード表音が鳴ります

これで一曲伴奏をつけることができました。2章の解説ではCコードのドの音(Cの音)は下の音(一番左の音)でした。

ですが、前章の「コードが使う鍵盤の範囲をF(ファ)~上のF(ファ)」にすると、Cコードはドの音(Cの音)は中央に来てしまいます。

Cコードの比較

ドの音が中央というのは違和感があるかもしれません。自分もはじめはドの音を下の音で弾いていました。

ですが「ドの音を基準として、そこから左右にコードの左手が動く」と考えてみると、実は便利なのでは?と思ってみると少々違和感がやわらぐと思います。

9.音の引越し

ドレミ・・・は白鍵を順に上がりました。では白鍵と黒鍵をあわせた一つの階段と見ると上がり方はどうなるでしょう?

鍵盤の階段音が鳴ります

黒鍵の段を一段とびこえたり、黒鍵の段がない場合がありますね。では上がり方は同じで、スタート位置を一段上げてみましょう。

一段上がった鍵盤の階段音が鳴ります

この状態を楽譜で表す場合は、ドが一段上がった時は楽譜(五線譜の左側)に#が7つ、または♭を5つ付けます。ではドを二段上がった所からスタートしてみましょう。

二段上がった鍵盤の階段音が鳴ります

ドがニ段上がった時は、楽譜に#が2つ付きます。黒鍵を2つ踏んでいると、五線譜に#が2つ付くのがポイントです。今度はスタート位置を一段下げてみましょう。

一段下がった鍵盤の階段音が鳴ります

ドが一段下がった時は、楽譜に♭が7つまたは#が5つ付きます。スタート位置を二段下げてみましょう。

二段下がった鍵盤の階段音が鳴ります

ドがニ段下がった時は、楽譜に♭が2つ付きます。黒鍵を2つ踏んでいると、五線譜に♭が2つ付くのがポイントです。この様に音ドを上下させることを次のように呼んでいます。

  • キーが上がる・キーが下がる
  • 転調
  • カポ1・カポ2

五線譜左の#か♭の数により、右手のメロディーで使う鍵盤がきまるのです。他の押さえ方をまとめました。

キー別鍵盤押さえ表

キー名のCMやハ長調といった名前はムリに覚えなくても大丈夫です。このような関係があることを頭の片すみに置いておいてもらえれば良いです。

ではなぜキーをかえる必要があるのでしょうか?それはキーがかわると曲の感じが変化し、コードも変化するからです。

10.ほかのコード

きよしこの夜の楽譜をもう一度みてみましょう。

きよしこの夜のコード表音が鳴ります

よく見るとBやAの他のコードがでてきません。なぜでしょう。キーによって使うコードが決まっているからです。きよしこの夜のを確認してみます。

きよしこの夜の五線譜コード表

五線譜の左端に#も♭もついていませんので、C Major(ハ長調)になります。そしてキーがC Major(ハ長調)の時は、C,C7,G,G7,Fや数個のコードしか使いません。一曲で出てくるコードは簡単な曲で4~5個のグループがふつうです。ではきよしこの夜のキーを一つ上げてみましょう。

一段上がった鍵盤の階段音が鳴ります

元のコードは、C,C7,G,G7,F を使いました。キーが1つ上がったのでそれぞれ#をつけてみると、

C#,C#7,G#,G#7,F# のコードになります。(D♭,D♭7,A♭,A♭7,G♭とも呼ぶ)鍵盤の階段とみると、音C#,G#,F#の段を踏んでいます。(D♭,A♭,G♭の音の段でもある)

このようにキー(調)が上下すると、コードのグループも変化してゆきます。

11.コードの現れ方

コードの現れ方に決まりはあるのでしょうか?

きよしこの夜のコード表音が鳴ります

C,C,C,G,G,D,D,D,G7,G7,G7のようには並んでいません。並ばない理由を調べてみてみましょう。

コード進行のシーソーゲーム音が鳴ります

Cのコードを中心に置いてみると、コード進行の流れが見えてきますね。

12.コンパクトコード表

よく使うコードをまとめました。練習時に活躍しますね。

ピアノコード表(コンパクト版)

13.コードの動き

有名な曲のコード進行をみてみましょう。

曲名 コード進行
(Cocco) 強く儚い者たち 【サビ】 音が鳴ります A → B → G#m → C#m
(浜崎あゆみ) Depend on you 【サビ】 音が鳴ります DM7 → E → C#m7 → F#m
(サザンオールスターズ) 涙のキッス 【サビ】 音が鳴ります F → G → Em → Am
(SPEED) STEADY 【サビ】 音が鳴ります D♭ → E♭ → Cm → Fm

(DM7はここでは一時的にDと見してみます)

コード進行を見ると現れ方がバラバラですね。ですが前章のコード表でなぞるとルールが見えてきます。

コード進行のループ

動きがループしているようにみえます。では鍵盤の押さえ方もループしているのでしょうか?

コード進行のループを鍵盤上で見てみる

鍵盤上でもループしています。まとめると、

  • 曲の中で同じループが数度つかわれている
  • 違う曲でもそのループはつかわれている

他の曲も調べてみましょう。

曲名 コード進行
(THE BOOM) 島唄 【サビ】 音が鳴ります E B C#m G#m | A B E
(サスケ) 青いベンチ 【サビ】 音が鳴ります Bm G A D F#m | Bm G A D
(Mr.Children) Tomorrow never knows 【イントロ】 音が鳴ります C G F Em | D F C
(the brilliant green)
There will be love there ~愛のある場所~ 【サビ】 音が鳴ります
F C Dm Am | Bb C F

同じくコード表でなぞってみましょう。

コード進行の寄り道

先ほどのループ型とはちがい、左側(太線部)が寄り道をしているように見えます。この様にコード進行はおおまかにループタイプと寄り道タイプに別けられます。

14.コードをコンパクトに

これまでコードの表情としてCm・C7・Csus4がでてきました。他の曲ではこれ以外のコードがでてきます。でも心配不要です。楽譜どおりのコードを弾かなくてもそれらしく聴こえる技があります。さっそく表にまとめてみました。

Cのコードをコンパクトに

コンパクト前 コンパクト後
CM7
Cdim
C-5
Cm7-5
Cagu
Csus4
C7sus4
Cm6
C6
C-9
Cadd9
C/G
C/E
ConG
ConE

(メジャー)
Cm7
CmM7
Cm
(マイナー)
C7 C7
(セブンス)

なんと簡単でしょうか。たくさんのコードもたった3つにまとめることができます。

注) C(シー)とCM(シーメジャー)は同じコードです。

メジャーは頻繁に現れるので、Mは省略してCだけを表記します。

表中のC/GやConGですが、/とonは同じ意味です。

C/GはCのコードでG(ソ)の音を低い音に転回するのが正しい弾き方です。

(つまり左手小指でG(ソ)の音を押さえる)

でも実際弾いているときに急いで転回するのはとても難しいです。 そこで裏技、C/Gの場合はCかGのコードを弾いてください。(低い音への指の転回は不要です)

普段は前側のCコードを弾きます。ですが何か物足りない時、後ろ側のGコードで弾くと良く響くことがあります。この裏技があれば/とonのコードは簡単に弾けてしまいます。

では楽譜を見ながらコンパクトな方法と曲感の違いを見てみましょう。さきほどの表を元に赤丸部をコンパクトにしてみましょう。

コードの代わり、ピンチヒッター

このように、むずかしそうなコードが現れたらコードをコンパクトにして簡単に弾くことができます。なので前章でも出てきた、こちらのコード表さえあれば、4種類のコードだけで色々な曲にチャレンジ出来てしまいます。

ピアノコード表

sus4のコードはとてもよい響きです。ダイエットに余裕があれば、sus4は思い切って使ってみましょう。

15.左手の指の運び

前章のきよしこの夜のでは、左手で3つの音を同時に押していました。「ジャーン、ジャーン」と鳴っていましたが「ポロロン、ポロロン」と弾いたほうがより綺麗に上手に聴こえます。

この弾き方をアルペジオと呼びます。手軽なアルペジオではCのコードでは「ド→ソ→ミ→ソ→ド→ソ→・・・」と左手で順に弾いてみましょう。だれもが聴いたことのある伴奏になります。

ときには1オクターブ高い音。さらに低い音を弾いたし変化をつけます。そうするとで綺麗な流れるような伴奏になります。でも初心者にはちょっと難しいです。

楽器によってはコードの3つの音を押さえるだけで、ドラムやベースを含めて自動伴奏してくれる機種があります。一人でバンド演奏のようなことも簡単にできてしまいます。

16.おわりに

これまで紹介してきた内容をまとめてみましょう。

  • アルファベットは音名である (ド=C,レ=D,ミ=E)
  • 3つの音を押さえるとコードになる (Cのコード=ド+ミ+ソ)
  • コードには表情がある (Cm,C7,Csus4など)
  • キー(調)が変わると使うコードもかわる (Cm→C#mなど)
  • コードの隠れた進行ループ型と寄り道型

ピアノコード弾き方でのポイントはこの5つだけです。あとはコード名を見てすぐに3つの音を押さえられるか、ただそれだけです。でもご安心くださいませ。コード進行には流れがあるのですから。はじめはコード表を見ながら押さえるのを練習してゆくでしょう。その作業は大変かもしれません。

ですが前章でも紹介したようにコード進行には流れがあります。その見えない流れが見えてくると意外とコードって簡単であることに気づくでしょう。

さらに面白いのがそのコード進行、流れが違う曲でも使われているのです。ということは色々な曲を弾けばひくほどコツがつかめてくるのです。

流れが見えてくると「あっ、次はだいたいこの辺りかな?」となってくるでしょう。コード表を暗記するのが大切なのではなく、この流れのパターンをつかめると上達は近いでしょう。

ピアノコード表(初級・中級者向け)

3音押さえタイプです。

ピアノコード表

ピアノコード表(上級者向け)

4音押さえタイプで、ほぼ全てのコードが載っています。

ピアノコード表

ピアノコード表(立体・3D版)

弾く視点の立体版です。

ピアノコード表(立体・3D版)

コードの型

似た押さえ方をまとめました。

コードの型

倍音と和音のしくみ

なぜ和音を聴くと心地よいのかわかります。

和音と倍音のしくみ

コードの指の動き

メジャーコードと派生(表情)コードは微妙に押さえ方が違います。

コードの指の動き

コードたちの振り付け

コードの組み合わせルールをまとめました。

コードの指の動き3パターン

コード調べ表

キー別のコードの押さえ方の法則、7や-5など番号の理由が分かります。

コード調べ表

コードの転回

「このメジャーコードをsus4にしたいんだけどどの指を動かすのか!?」と知りたい時があります。いざというときのチェッカーです。

コードの転回

キー転調チェッカー

楽譜によって原曲のキーとは違うコード譜があります。好きな曲は原曲のキーで弾きたくなります。その時はこのチェッカーを使い書き直せます。図示どおり、谷折りと山折りに曲げてつかいます。

コードの転回

キー転調チェッカー ドレミ

コードの転調だけでなく音も移調するときはこちらの表が便利です。

キー転調チェッカー ドレミ

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